いまや「大型の家庭犬の王様」と例えられるくらい、
人気・知名度共にトップクラスのゴールデンレトリーバー。
体の大きさと比例するように、
優しさ溢れる表情が魅力のイギリス原産の大型犬です。
賢く、判断力にも優れていることから、
最近では
盲導犬や
介助犬としても活躍しています。
名前の通り、金色に輝く優雅な姿に魅了される方も多いのではないでしょか。
「レトリーバー」とは、その昔、水陸両用の鳥猟犬として活躍して
いた際に、ハンターが撃ち落とした鳥を回収(Retrieve:レトリーブ)
していたことから、この名前が付けられたと言われています。
いつでも微笑んでいるかのような表情に表れてるように、
ゴールデンレトリーバーは
攻撃性が低く、大変穏やかな性格です。
体格は大きくとも、大型犬によく見られる威圧感などは、一切ありません。
かつてイギリスの貴族達に愛されてきた気品と優雅さは今も健在です。
ゴールデンレトリーバーは
知能レベルもトップクラスに位置します。
しつけもそうですが、フライングディスクなどといったドッグスポーツも、
飼い主が一緒に楽しみながらできる、最高のパートナーなのです。
日本で人気に火が付いたのはつい20年ほど前の事です。
それまでは、日本の住宅事情などから、限られたスペースで
飼える家庭犬といえば”小型犬”、という認識が強くありました。
しかし、ゴールデンレトリーバーの魅力や落ち着いた性格などの一般知識が世間に広まり始め、
室内での飼育も可能であると気がつき始めたことで、人気が急上昇しました。
いまでは、大型犬にもかかわらず、常に人気ランキング上位に入り続けていることが、
ゴールデンレトリーバーの不動の人気を物語っています。
大型犬を飼いたいと思ったら、ゴールデンレトリーバーを
まず最初の候補に挙げる人は多いのではないでしょうか?
日本でも、たくさんのご家庭で飼われていますし、ペットフードなどの
CMでも、ゴールデンレトリーバーは大活躍をしていますよね。
そんな知名度の高いゴールデンレトリーバーですが、
どのような歴史をたどってきたのでしょうか?
ゴールデンレトリーバーは、もともとは
イギリスが原産といわれています。
レトリバーという言葉は、英語で“回収”を意味する、
リトリーブ(Retrieve)という言葉から派生したものです。
それからもわかるように、ゴールデンレトリーバーは、
狩りで仕留めた獲物を回収するプロだったようです。
人間やセッターやポインターなどの狩り専門の犬に協力して、
獲物をご主人のところに持ってくるお仕事犬だったんですね。
特に、ゴールデンレトリーバーが得意としていたのが、
水中です。
(そのため、ゴールデンレトリーバーは、泳ぎの得意な子が多いです。)
水鳥猟で、仕留められて、水に浮かんでいる獲物を回収して、
陸地にいるご主人の所にまで運ぶということをお得意のお仕事としていたようです。
現在知られているゴールデンレトリーバーは、ゴールデンレトリーバーの仕事柄、猟犬としての性質を
もっと伸ばそうとして、もとのリトリバー犬種に、水の得意なウォータースパニエルやセッターなどと
かけ合わせてできあがったというのが、今のところ、有力な説のようです。
●ゴールデンレトリーバーのスタンダード
犬のスタンダードとは、犬の純潔性を守るためその犬の理想の
形態や気質などを細かく定めたものです。
多くのブリーダーたちは、そのスタンダードに書かれた
「ゴールデン」を目指して、日々努力を重ねています。
まだドッグショーで活躍する犬達も、どれだけスタンダードに近い
のかを競い合い、一定の結果を出した犬がCH(チャンピオン犬)
として認められます。
ここでは、JKC(ジャパンケンネルクラブ)が定めるスタンダードから
ゴールデンレトリバーの特徴を、簡単にまとめてみたいと思います。
1.被毛(コート)
撥水性のあるアンダーコート(下毛)と、柔らかく艶やかな
オーバーコート(上毛)の密生したダブルコート(2層構造)です。
上毛は直毛か、少しウェーブがかかっており、
尾の下方には分な飾り毛があります。
2.毛色(カラー)
濃淡幅の広いゴールドまたはクリームで、レッドやマホガニーではありません。
ホワイトは胸にわずかに見られる分にはよいとされています。
3.大きさ(サイズ)
体高:
オス56~61cm
メス51~56cm
体重:
オス29~34kg
メス25~31 kg
4.その他
・歯並び
*ゴールデンレトリーバーは、鳥猟犬として、大きな野鳥などを回収するために「あご」の構成が
重要視されるため、犬種標準でシザーズバイトと完璧な歯列が要求されています。
・2種類のタイプ(イギリス or アメリカ)
*同じゴールデンレトリーバーでも、国によって体格や性格が多少変わるようです。
イギリスタイプ:
骨量豊富でずんぐりしていてマスティフ(邸宅や猟場の番犬・軍用犬として働いていた犬)に近く
毛の色もゴールデン、つまり、クリーム色にきらきら輝いています。
アメリカタイプ:
セッター(イギリス原産の鳥猟犬・中型犬)にちかく、均整的でやや細身。
このタイプで固定された系統の中には、皮膚疾患を起こしやすい一群があります。
毛色は茶褐色で毛の色が赤く輝いています。
日本では近年、サイズオーバーや欠陥のあるものの輸入を避ける目的で、股関節・アイクリアーの
証明書を要求し、それらをクリアしたものだけを輸入するようにしているそうです。
どちらも、共通しているのは、垂れた耳。
あの、垂れている耳が愛きょうがあって、かわいさを倍増させます。
そして、長くてふさふさしたしっぽ。
この2つは、ゴールデンレトリーバーを代表する特徴ですね。
ゴールデンレトリーバーを飼うためには、ゴールデンレトリーバーの種類や
体の特徴をきちんと把握しておくことも大切です。
ゴールデンレトリーバーの性格は、見た目にそのまま表れているといっても過言ではないでしょう。
大変温和で、攻撃性も少なく、小さな動物や子どもにもとてもやさしく友好的。
知的で辛抱強く、天性の服従性を持つと言われています。
だいたいの犬は、子供が苦手ですが、
ゴールデンレトリーバーは子供や他の動物にも友好的です。
なので、どちらかというと、番犬には向きません。
(ワンちゃんにも適性というものがあるのだといえます。)
また、ゴールデンレトリーバーの歴史からも分かるように、人間に協力して
お仕事をする犬だったので、賢くて、人間に従順というところもあります。
人間の言うことをよく聞いて、人間の意図をくみ取ってくれます。
おとなしく、落ち着いているという面もあり、
無駄吠えをすることは、あまりありません。
とにかく人が大好きで、人との繋がりを大切にしているので、
一人ぼっちにされたり、長時間ほったらかしにされると、ストレスを感じてしまいます。
大きな犬種ですが、
室内で家族とふれあいながら暮らせる環境が理想的でしょう。